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[No.30082] ■ローパスフィルターの謎 投稿者:S&L  投稿日:2007/10/28(Sun) 02:08

■ローパスフィルターの謎
画像サイズ: 723×612 (142kB)

■ローパスフィルターの謎

 「ローパスフィルターはモアレ低減の副作用として画像を甘くする」というのはどのメーカーも指摘するところです。このフィルターについて、前回、私は30ミクロンから60ミクロンくらいまで像を拡散?と記しましたが。どうもそれは違っているようです。よくよく考えたら、全域に渡り、画像がずれている訳ですから「全域に渡り画像を甘くさせている」が正解ですね。
画像は画素のピッチだけずれていますが、関係の無い模様の上に載ってしまう訳ですからかなりぼけてしまいます。今までミリ200本の解像力のレンズだったのが、80本くらいまで落ちてしまうのですから。最初から80本のレンズはどうなるのかわかりません。
キャノンの特許開示資料にも、ローパスフィルターの弊害の改善や色フィルターの弊害などについての改善のものなどいろいろあることが記述されています。まだ製品にはなっていませんが、期待したいところです。
「ローパスフィルターの分離距離は、画素ピッチに厳密に合わせないといけない。」と述べている方がいましたが、やはりそういうことはありませんし、たぶんメーカーによって違うと思います。色ごとのズレは揃った方が良いというのは判ります。なんのことはなく、ニコンでははっきりとローパスフィルターのnullポイントはずらせていると説明しています。ページの真ん中の左に図があるのでクリックして確認してみてください。

http://www.nikon.co.jp/main/jpn/profile/about/technology/nikon_technology/image_processing/index.htm

ニコンとは逆にキャノンでは、「受光開口の幅が画素ピッチと一致するので、ナイキスト周波数u=1/2dにおけるレスポンス値は0.636であってかなり高いのでここを0になるようにLPFの設定をしている。」とのことです。
キャノンの特許資料によると、LPFのカープを以下としています。

レスポンス:R(u)=|cos(π×d÷T)| f:空間周波数 T:画像強度の周期 d:LPF分離幅

これによると、T=2dでレスポンスが0になってnullポイントとなります。本来はコンボリューションで求めるらしいですが、近似の式で以下の説明も良く見かけます。Th: LPF厚さ として、二つの波の合成、

=A sin 2π th/T+A sin 2π( th/T-d/T)
=2A sin2πf (th/T-d/2T) × cos2πd/T

2AからAに強度の同じ二つに分離した振幅Aの光が、合成されて2Aになるけど、合成波の位相と振幅で0から最大振幅2Aにかけて振動するとも読めます。Tがdの距離より大きければcosは負の値にはなりません。T=2dで0にはなります。水晶の場合、th>dですから、sinの中も負の値にはならないですね。
ここで疑問です。
空間周波数の0ポイントは、256階調のグレーがあったとしたら、その中間の128が0となりますが、もし256の最大振幅の光が来たら水晶を通ると二つの128の強度の光に分離したとして、原点はどこになるのでしょうか?
-64下がったところとすると、0から+64までの+の振幅と0から-64までの負の振幅で合計128の振幅の波が2つ?
だとすると、原点シフト前の-64の点に対して二つの波の干渉波が発生して+64の最大振幅から-64までの半波のレスポンス?
−64から−256までの間は何?
これが頭の中で上手く整理できません。
とにかく、交流成分に関しては、半波整流のような形になっているのは確からしいです。
想像ではこのグレー成分はコントラストを下げる方向に働いていると思っています。
実際デジカメの空間周波数を撮影するとMTFの低いところのコントラストが一律低下しているように見えます。

添付図のピンクの色を塗った部分がLPFの副作用でMTFが低下した部分となっています。
赤線が超えているのは、ソフト的なシャープネス処理のためで、処理をかけないと青点線の範囲となります。


[No.30090] 添付の絵の説明 投稿者:S&L  投稿日:2007/10/28(Sun) 02:35

図の上がサイン波です。
中間がデジカメで撮影した方形波です。
レンズは、28-70Lズームで、EOS-10です。
黒太線が素子のMTFで、ローパスが効いているので、60本あたりで原点と交差します。
レンズのMTFはピンクで色をつけた領域の上の青点線です。
素子とレンズのMTFが畳み込み積分されるので、アウトプットは、太赤点線になり、低くなります。
しかし、このときシャープネス処理していたので、素子のMTFぎりぎりまで振幅が大きくなってはみ出ています。
シャープネスの無い場合は、太い青点線のラインに収まります。
ローパスフィルターは、実は全域にわたってコントラストを低くしていたというのがこの図からわかります。
nullポイントのグレーは、低い周期の白がグレーになるという現象に現れているのではないかとそうぞうします。
本来は白なのにグレーです。
ローパスフィルターをかけるとかなりレンズの性能をスポイルしているのがわかります。
キャノンの特許公開資料をみると、フィルターを回転させて取り去るびっくり箱みたいなカメラも考案しているようです。ありとなしを撮影してよいところだけ合成するんだったかどうかだと思いました。
また、この絵から、ナイキストより上のデータは全くグレーとなっていることがわかります。
銀塩はかなり右側まで延びていて、縞の形もとても綺麗です。
しかし、ミリ30本あたりのMTFはデジタルより低く、そこが解像感の少なさになっています。


[No.30091] 銀塩の場合 投稿者:S&L  投稿日:2007/10/28(Sun) 02:41

銀塩の場合
画像サイズ: 480×480 (43kB)

同じレンズです。
フィルムに記録した場合のレスポンスです。
カーツの法則が効くので、MTFは低くなりますが、低周波数のグレーのにごりはありません。
ダイナミックレンジも広く、これが銀塩の有利なところとなっています。
フィルムはベルビアなので、アンシャープマスクがフィルムの現像時の化学変化によってなされています。