画像サイズ: 432×373 (28kB) ■EOSの画素サイズと限界絞り
前回、画素へのエアリーディスクの拡散のさせかたについていろいろな人から異議が唱えられました。さすがに少し不安になって改めて確認しました。 間違いが少しありました。限界分離距離は、私は「デジカメのレンズは理想レンズの場合の係数0.61の2倍悪いから」として1.22としていましたが、そのまま1.22として良いとのことです。結果的に数字は同じですが意味合いが違いました。 また、私のコピー引用したウェブ掲示板の人の記述に誤りがありました。鶴田匡夫さんの「光の鉛筆」の記述は、「4画素」ではなく「18画素」でした。コメントの元となった、「光の鉛筆」を読んでそれに気付きました。おそらくこれは、掲示板で記した人が直径の数字に置き換えたものだと思います。僕もそう理解していました。ただ、そのオリジナルの記述もなんとなく間違っているような気がします(笑)。本には18画素と書かれていますが、4×4=16画素ではないかと思います。ともあれ、正確にはこう書かれていました。
「点物体の像の拡がりの中に、画素が約18個入るように、レンズと撮像素子を組み合わせるのが、一番の経済的な選択のように見えます。」 「点像の拡がりを1画素の面積と一致させてはいけません。顕著なモアレが必ず現れます。」
1画素に光を集めるような結像をさせるとモワレが酷くなるという話は納得しやすいです。また、レンズの最小散乱円を30ミクロンのままにしている訳もこの記述から分かるような気がします。 こういう状態の光線状態を改めて図にしましたので、確認してください。
1.アナログのレンズにもデジタルと同じように遮断空間周波数というものがあるそうです。無収差レンズの場合、
[レンズの遮断空間周波数]=1/[F値×λ]
とのことです。式の導入はフーリエ解析から求めているそうなので私には説明はできません。ここで、[ナイキスト周波数]=1/2×画素間隔でしたから、無収差レンズの遮断空間周波数とナイキスト周波数を一致させると、
[無収差レンズ生かすための画素間隔]=0.5×[F値×λ]
が得られます。これは何を意味するかというと、レイリーリミットに達したレンズを使う場合、これより小さい画素設定にするとローパスフィルターが不要ということです。仮に光の波長λ=0.0005mmとして絞りF4を入れると1ミクロンとなります。これは、「F4より暗い絞りしか使わないとしたら画素は1μとするとLPFは要らない」ということになります。なぜならレンズの遮断空間周波数がこのF4という絞りだからです。この式は
「F値が明るくなるほど、画素は逆に細かくないとレンズの性能限界を生かせない。」
ということも意味しています。よく考えると明るいほどディスク径が小さくなるので当然だと思います。ここを逆に考えている方々も多いのではないでしょうか?「画素が小さくなるとレンズの性能を発揮できない」というように。実は「レンズがシャープになればなるほどそれを生かすベイヤーモザイクは小さくなければいけない」ようです。
2.レイリーリミットに達しているレンズで、「これ以上絞ると回折の悪影響の出るF値」の計算式が分かりました。次の式でとても簡単です。これは「画素間隔が小さいほど、レンズはあまり絞れなくなる」式となっています。例によって「理想レンズの場合」であることに注意してください。
[限界有効絞り]=3.2×画素間隔
仮に新しいEOS-1の3型の画素6.4ミクロンですと、F値20.48まで絞っても回折の悪影響が出ないということになります。8ミクロンの画素のカメラは、実はF25.6まで絞っても問題ないことになります。 しかし、これだと実態に合わないような気がしませんか?現実のカメラレンズの場合ですと、おそらくレイリーリミットの0.75倍の性能じゃないかと思います。性能が悪いと画像のにじみも1/0.75倍早くから生じるだろうと仮定すると、8ミクロンの画素の場合は、3.2×0.75×8=19.2→F16くらいが限界有効絞りになろうかと思います。更に、これより明るい絞りで画像が悪化する場合は、レンズの性能に負う部分が多いと推測します。APS−Cは回折が1.3から1.5倍に拡大されますから、更に1/1.5の係数をかけないとなりません。 最近になってニコンではレンズ設計の最小散乱円の基準を変えてきているようですが、このあたりに原因があるものと私は推測しています。新しいニッコール14−24ズームのスポット図が雑誌に掲載されていましたが素晴らしくシャープです。21世紀になってから出た広角をカバーするレンズでは最も性能の良いレンズになる可能性があります。キャノンのことですから、いずれそれを超えるレンズは出すかもしれません。 レンズの性能を生かそうとすると画素は小さくなる。しかし、回折の悪影響も出るということで、今回の新しいイオスの2100万画素がデジイチの「いまのところの解像度の終着点」となるのかもしれません。5μ画素で飛び切り収差の少ないレンズがあれば、更にいけるのは言うまでもありませんが凄いコストになりそうです。 |