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[No.30080] ■キャノンレンズと解像力 投稿者:S&L  投稿日:2007/10/28(Sun) 02:02

■キャノンレンズと解像力

デジタルの時代になっても、限界解像力はレイリーリミットが基本であることは変わりません。(天文ではドーズの限界というものもありますが)
最小錯乱縁も古い基準だ。と反論していた方もいましたが、そんなことはありません。むしろ逆に必要な部分もあります。
レイリーリミットは、2つのエアリーディスクの分離距離から求められます。無収差の銀塩レンズではエアリーディスク径は、下記の式でした。

D=2.44×λ×絞りF値

デジタルではこのままでは使えません。画素に分解されてしまうからです。限界解像力は下記の式に換算できることが分かりました。

[限界空間周波数]lp/mm=1/[1.22×λ×絞りF値] 但し、この時MTF=0.09

ナイキスト周波数に近いかすかに見えるか見えないかの状態での数字とのことです。
私はレンズの性能低下を加味し前回1.22と推測しましたが、それを考慮せずにこの数字としていいそうです。仮に、緑色の光線の場合、176lp/mmとなりました。こんなに高い理論値どおりに解像しているキャノンのレンズはあるのでしょうか?
ありました。
EFマクロ100ミリ、中央でミリ200本、像高7.8ミリで176本です。理論値より値が大きいのは計測する人の眼が良くて(深堀さんという方です。)コントラスト0.03あたりまで読みとっていたからだと言われています。また、キャノンのFD24−35は、開放の中央で200本、像高7.8ミリで160本でした。この数字は、ミニコピーというフィルムに撮影された実測値であって理論値ではありません。日本のカタログには理論値しか書かれていなので、あまり役にはたちません。コンタックスが唯一実測値であるのは有名な話です。

しかし、他の現行のキャノンレンズの解像力でここまでの高いものはほとんどないと思います。
よく使われる28−70のLズームですと、F8中央でミリ160本。像高7.8ミリで、117本です。開放だともっと悪いです。24−105Lズームでさえ、F8中央で140本、平均で68本となっています。28ミリF1.8に至っては、F8中央で112本、像高7.8ミリで23本です!解像力に限っていうと昔のレンズのほうがありました。これは設計の思想があるときから変わってしまったためです。像を肥大させてハロを取る代わりにリンギングを発生させてエッジ強調をするように設計されています。

参考ですが、
歴代最高は、1950年代のライカのズミクロン50ミリの280本です。凄いですね。同じくライカのズマロン28ミリは、F5.6の開放でミリ200本、像高7.8でも160本です。これは私の愛用のレンズですが本当に立体的な写りをします。反面ハロが残りコントラストの低い柔らかい写りです。現行のライカのアポマクロエルマリートは、F2.8開放で中央160本、像高7.8で140本でこれも良い写りのレンズです。
また、酷評する方も時々いるコンタックスのレンズだと85ミリ1.4は、絞ると中央で224本、像高さ7.8ミリで198本にもなります。国産のレンズでここまでのものは未だにありません。もう30年も過ぎていますが。ただしこのレンズは開放だとかなりホヤホヤしますが、その程度はキャノンFD85ミリF1.2と大差ありませんでした。

ご推察のとおり実はこれらの限界解像力はプリントで見た時のシャープさにはほとんど影響しません。現実はもっと低い周波数でのMTFの方が重要です。前回人間の眼の解像力について記述しましたが、それはその根拠に理由が潜んでいました。

各種の統計データから、人間の眼には、フィルムから8*10インチに8倍に拡大してプリントして鑑賞する場合、二本線の0.0727ミリまで見分ける能力があるそうです。これをプリント上の空間周波数に置き換えると、6.88lp/mmです。フィルムに圧縮すると、8倍して55lp/mmとなります。実はレンズは、ミリ60本以上改造していれば実用になるということです。

しかし、いくらなんでもMTF0.09での解像力は実用的ではありません。MTF0.5あたりでの限界解像力であればカタログを参考にできるようになります。レイリーリミットに達しているレンズのMTF0.5での空間周波数は、以下の式で求めることができるそうです。

[MTF0.5空間周波数]lp/mm=0.38/[F値×λ]

仮にF8での緑の光では、81lp/mm! こんな凄いカメラレンズはあるのでしょうか?
なさそうな気がします。
先の人間の眼の解像力55lp/mmと併せて考えると、「40lp/mmのMTFが0.6より上のレンズが良い性能のレンズである。」という話が何故かは納得できそうです。
逆に、それより細かい解像力はあまり関係しないということで、1970年代あたりから国産のレンズは、線の太い描写に変わってしまいました。キャノンのFDの二世代目あたりからだと思います。ニッコールも同様でした。今ではミリ180本のレンズは皆無かもしれません。


[No.30138] Re: ■キャノンレンズと解像力 投稿者:a.n  投稿日:2007/10/29(Mon) 19:14

≫ S&L さん

六切大で約7線/mmということは175線/インチとなって、ちょうど実際の写真印刷の解像度(150線か175線あたり)にも一致するわけですね。ミリ200本以上出せる国産レンズといえば、オリンパスペンのD.Zuiko 28/3.5が思い出されます。同じサイズにプリントした場合の拡大率が約1.4倍となるハーフ判のため、開放から中心部230本/mmを出すレンズを開発したわけですが、ハーフ判って実は今のAPS-Cサイズよりはまだ大きいんですよね。


[No.30157] Re: ■キャノンレンズと解像力 投稿者:らおー  投稿日:2007/10/29(Mon) 22:44

≫ a.n さん

> 六切大で約7線/mmということは175線/インチとなって、ちょうど実際の写真印刷の解像度(150線か175線あたり)にも一致するわけですね。ミリ200本以上出せる国産レンズといえば、オリンパスペンのD.Zuiko 28/3.5が思い出されます。同じサイズにプリントした場合の拡大率が約1.4倍となるハーフ判のため、開放から中心部230本/mmを出すレンズを開発したわけですが、ハーフ判って実は今のAPS-Cサイズよりはまだ大きいんですよね。

APS−Hくらいの感覚ですね。


[No.30168] Re: ■キャノンレンズと解像力 投稿者:S&L  投稿日:2007/10/30(Tue) 04:43

≫ a.n さん

>同じサイズにプリントした場合の拡大率が約1.4倍となるハーフ判のため、開放から中心>部230本/mmを出すレンズを開発したわけですが、ハーフ判って実は今のAPS-Cサイズより>はまだ大きいんですよね。

そうだったんですか!
知らなかったです。
僕が「世の中にはカメラなるものがあるらしい」と気づき始めたときには、ハーフサイズカメラはすでに流行から外れていてあまり見かけませんでした。
確かにキャノンでもAPS規格のレンズは、フルサイズ用より解像力を上げている形跡がありますね。

網点やドットで画像を表現する写真印刷やプリンターの要求解像度も「人間の目の性能の敷居から求められるのは同じ」というのは納得しやすいですね。


[No.30167] 人間の目は十一段階の明るさしか見分けられない? 投稿者:香織淳士  投稿日:2007/10/30(Tue) 02:52
URL:http://www.geocities.jp/kaori_atusi/

≫ S&L さん

 まだやってたんかい‥‥っていうのは置いといて〜、ここだけ気になったので。

> しかし、いくらなんでもMTF0.09での解像力は実用的ではありません。MTF0.5あたりでの限界解像力であればカタログを参考にできるようになります。レイリーリミットに達しているレンズのMTF0.5での空間周波数は、以下の式で求めることができるそうです。

 あの、桁を一つ勘違いしているんではないでしょうか?
コントラスト最大は『1』ですので、0.09って言うのは約1/11。
パソコンでグレースケールデータを表示する時に十一段階しか視認出来ない人が、
どの位居るでしょうか(白内障で眼鏡無しなら、判らないでもありませんが)。
 と言う訳で、線を見分けられるコントラストは0.5ですっていうことは、
無いと思いますよ。
フォーサーズレンズなら、
ミリ60本でコントラスト0.5を超えるレンズも沢山あるんでしょうが、
こちらは35ミリフィルムに対して拡大率倍が前提ですから関係無いか(笑)。
 因みに、フルサイズ系とAPS系でも撮像部とプリントとの拡大率が変わるので、
そのことが抜け落ちていると折角のお勉強がパーになってしまうかもしれませんね。
ちょっち勿体ない。

 そう言えば、プリントに必要な解像度を事前に決定してしまうんであれば、
撮像素子に必要な画素数も自ずと固定化されちゃいますね。
そうなってくると、
被写界深度コントロールとノイズ稼ぎ以外では撮像素子の大きさは全く意味がなくなるし、
全てのデジカメの画素数は同じに揃っていくはず‥‥。
 プリント時の解像度を(評価用の基準としては別として)事前に決める行為には、
あんまり意味が無いっていうことなんでしょうね。
って言うか、『俺基準』のぶつかり合いこそが、一番正しい気も。
『俺はここまでの性能を要求するんだ!』って言う意味での、俺基準ね。
 壁一面に張られた巨大プリントを、三十センチの距離から楽しく鑑賞する権利は、
奪われるべきではないと思います(多分)。
そもそも人間の目の解像度は、プリントのサイズには左右されないし〜(’-’:)v-〜。
確かにでかい絵の鑑賞距離は段々離れていく傾向がありますが、
それは画面のサイズに一対一で比例するものではないと思いますね。
でかい絵程相対的に近い距離から、世界に没入する感じで見ていくことになるのでは?