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[No.30079] ■キャノンのベイヤー配列の謎 投稿者:S&L  投稿日:2007/10/28(Sun) 02:00

■キャノンのベイヤー配列の謎
画像サイズ: 429×206 (44kB)

先日のスレッドは、皆さんにご迷惑をおかけしました。
なんか酷いことになってしまったので、改めて言いたいことを書いておしまいとします。
今回は冷静になってクールにいきます。揚げ足取りなレスは、完全にスルーしますので悪しからずご了承ください。
フーリエ解析などから導かれた式は、僕自身が良く理解していないのでご了承ください。そのため、今回はリンクもつけましたので、疑問がある際はそちらを参照してください。

また、話の前提を記します。
1.基本的にライカ判、35mmフルサイズに限定します。
2.なるべくイオス及びキャノンと関係のある記述とします。

■キャノンのベイヤー配列の謎

 前回のスレッドで、
「ベイヤー配列では、緑の空間周波数が青と赤より2倍高いのにもかかわらず、赤と青も緑と同様の空間周波数と考えて良い」と記しました。
その説明については、非常に難しく私には説明は困難とも記しました。
今回は根拠となったリンクを貼りますので参照してください。

 ベイヤーフィルターアレイは、コダックに勤めていたベイヤー氏の特許の切れた80年代から日本の企業で採用され始めたと聞いています。単純なアベレージ法によるデモザイキングでは、G画素以外の色は空間周波数が2倍低いので必ずモアレが発生して酷い画像となってしまいます。それで企業は必死になってそこを改善しているようですが、さすがにロジックは詳細は公開されていません。
企業と違って大学の研究は詳細が公開されていますので、そこからそのあらましを推測することができます。テキサスのコーネル大学の論文は、比較的分かりやすい方なのでリンクを貼ります。

http://dsplab.ece.cornell.edu/papers/journal/DemosaicORrevisionFinal.pdf
http://dsplab.ece.cornell.edu/papers/conference/sip_02_6.pdf

これを読むと、デモザイクのロジックが画素の廻りの状況を判断しながら像のアウトラインを判断しつつ反復計算しているのがわかります。3×3の範囲どころかもっと広い範囲のベクターを調べながら計算をしていることが判ると思います。

下の論文ではローパスフィルターの副作用を取り除くアルゴリズムが研究されています。

http://www.joem.or.jp/img/k_di_06-1-2.pdf
http://www.hbf.or.jp/grants/pdf/g/14-g-saitou.pdf

キャノンにも独自のロジックとプログラムがあるはずですが、私はまだ探し出せていません。前回の記述で詳細には書きませんでしたが、キャノンのベイヤー補間回路から最終的な色出力するロジックの概要を貼ります。これはキャノンの特許出願の開示資料の抜粋です。ここでは、BとRの補間回路はパッケージになっていて記述されていません。

1. レンズ系を通った光は色収差が存在するため、固体撮像素子の配列が等間隔であっても、実質的にはカラーフィルタの色に依存してサンプリングがずれてしまい、モアレが発生していた。
2. (特許には)OutofGreen輝度回路、SwichY輝度回路、混合比率変更回路、輝度混合回路を有する。
3. CCDの各カラーフィルタ位置に対応して、R、B、Gの各信号を独立に処理するために、R補間回路、B補間回路、G補間回路を備える。例えば、R信号を処理する場合には、R以外の画素に挿入しておき、水平、垂直方向それぞれに[1 2 1]の係数を持つLPFを適用してG信号、B信号に関しても同様に処理し、乗算回路および加算回路により次式のように輝度信号Yを生成する。
Y = 0.3R + 0.59G + 0.11B
4. SwichY輝度回路により、例えば、従来技術で述べたSwichY方式により輝度信号を作成する(ステップS)。なお、このSwichY方式は、レッド(R)信号、グリーン(G)信号、ブルー(B)信号をそのまま輝度信号とみなす方式であり、実施形態で採用している原色ベイヤー配列の撮像素子の場合、輝度の色構成比は、R:G:B=1:2:1である。
5. 画像の中心ではSwitch Y方式を採用し、画像の周辺ではOutofGreen方式を採用し、中間ではSwitch Y方式とOutofGreen方式の両方を採用する。
6. Switch Y方式により得られる輝度信号は、従来例で述べたように、画像の周辺においてモアレが顕著に発生してしまう。一方、OutofGreen方式による輝度信号は、後述するようにG信号を中心に輝度信号を構成するため、色収差によりG信号に対してR信号およびB信号のサンプリングの位置がずれたとしても、その影響を受けにくい。しかし、OutofGreen方式はSwitch Y方式に比べCCDの画素を約半分しか利用していないことになるため、画像の中心ではSwitch Y方式を利用した方が有利である。
7. まず、画素位置検出回路により処理している画素位置(x,y)を検出する。次に、距離演算回路により画像中心(xc,yc)からの距離を演算する。
8. 次に、混合比率演算回路において、距離dにより混合比率rを演算する。例えば、画像中心から最も距離の離れた画素位置までの距離をDmaxとすると、
r = d/Dmax
のように演算する。このようにすると、中心付近では混合比率rが0となり、周辺で1となる。
9. また、距離dと混合比率rの関係を成しておき、テーブル変換によって距離dから混合比率rを求めるように構成してもよい。輝度混合回路では、上記混合比率rを用いて、輝度信号1と輝度信号2を次式(5)のように混合して混合輝度信号Ymixを得る。なお、式(5)において、輝度信号1はY1、輝度信号2はY2、比率rは輝度信号1の混合比率を示すものとする。従って、輝度信号2の混合比率は(1−r)により表される。
Ymix = rY1 + (1−r)Y2

ベイヤー配列からの元画像復元はたぶんもっとさまざまな問題点を解決しつつ改良されていくものと思います。ともあれ、ベイヤーアレイの各色ごとの空間周波数は、このロジックにより緑の配列と同じものとして扱うことが可能となりました。

図は、論文にあった赤色補間するときにアルゴリズムが参照とする領域の絵です。1画素の近傍の周りだけから求めるということはやっていません。